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がん診断・病期診断で行う検査の種類と内容

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漢方医学療法について
がん病期診断で行う検査の種類と内容
主ながん検査方法の種類
がん発生の可能性が疑われた場合やがん細胞の種類やがんの広がりを特定する際に、次のような検査が行われます。
腫瘍マーカーCT検査MRI検査超音波検査PET検査胃スキャン検査、内視鏡検査、X線検査、針生検、リンパ節生検、骨髄生検、組織採取等が行われます。
腫瘍マーカーとは
腫瘍マーカーとは癌の進行と共に増加する生体因子のことです。
主に血液中に遊離してくる因子の抗体を使用して検出する臨床検査のひとつです。

腫瘍マーカーの殆どは、腫瘍細胞と正常細胞も作る物質ではありますが、腫瘍細胞の方が大量に産生されます。

腫瘍マーカーによる検査だけで癌の存在を診断できるものは少数です。
ですが、患者の腫瘍マーカーを定期的に検査することは、再発の有無や病勢、手術で取りきれていない癌や微小な癌の存在を知る上で有用な方法です。
腫瘍マーカーが桁違いに高くなった時や、毎月ごと倍ずつ増えている時は再発と考えられます。

一部の腫瘍マーカーは、患者の患っている病気や体質、日頃の生活習慣により増減する場合があります。
その為に複数の腫瘍マーカーを併用することでその欠点を補って検査を行います。

腫瘍マーカーと主な陽性疾患
腫瘍マーカー
主な陽性疾患
癌胎児性蛋白
AFP(α-フェトプロテイン)肝細胞癌 卵黄嚢腫瘍 など
AFP-L3%(AFPレクチン分画)肝細胞癌
BFP(塩基性フェトプロテイン)各種癌
尿中BFP膀胱癌
CEA(癌胎児性抗原)大腸癌 胃癌 膵癌 胆道癌 肺癌 子宮癌 卵巣癌 乳癌 など
乳汁中CEA乳癌
癌関連抗原(糖鎖性)
BCA225乳癌など
CA 15-3乳癌など
CA 19-9膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 肺癌 卵巣癌 子宮体癌 など
CA50膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 肺癌 卵巣癌 子宮体癌 など
CA54/61(CA546)卵巣癌 など
CA72-4卵巣癌 胃癌 大腸癌 膵癌 胆道癌 など
CA125卵巣癌 子宮癌 膵癌 胆道癌 など
CA130卵巣癌 子宮癌 膵癌 胆道癌 など
CA602卵巣癌 子宮癌 膵癌 胆道癌 など
CSLEX(シリアルLex抗原)肺癌(特に腺癌) 膵癌 胆道癌 卵巣癌 大腸癌 など
DUPAN-2(膵癌関連糖蛋白抗原)膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 卵巣癌 など
KM01膵癌 胆嚢癌 胆管癌 肝癌 など
NCC-ST439膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 乳癌 肺腺癌 など
SLX(シリアルLex-i抗原)肺癌(特に腺癌) 膵癌 胆道癌 卵巣癌 大腸癌 など
Span-1膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 肺癌 悪性リンパ腫 など
STN(シリアルTn抗原)卵巣癌 膵癌 胆道癌 肺癌 胃癌 大腸癌 など
CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)肺癌(特に扁平上皮癌) など
癌関連抗原(その他)
SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)各種扁平上皮癌(食道癌 子宮頚癌 皮膚癌 肺癌 頭頚部癌など
TPA(組織ポリペプチド抗原)各種固形癌 白血病 悪性リンパ腫 など
IAP(免疫抑制酸性蛋白)各種癌
ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド)肺癌 前立腺癌 乳癌 などの骨転移
CTx(I型コラーゲン架橋C-テロペプチド)肺癌 前立腺癌 乳癌 などの骨転移
尿中BTA(膀胱腫瘍抗原)(再発)膀胱癌
尿中NMP22(核マトリックスプロテイン22)尿路上皮癌
組織産生抗原
PIVKA-(異常プロトロンビン)肝細胞癌
PSA(前立腺特異抗原)前立腺癌
SP1(妊娠特異蛋白)絨毛性疾患 など
γ-Sm(γ-セミノプロテイン)前立腺癌
フェリチン各種癌 各種血液疾患
組織産生抗原
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)絨毛性疾患 卵巣癌 精巣腫瘍 など
ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)肺小細胞癌 など
カテコールアミン褐色細胞腫
HVA(ホモバニリン酸)神経芽細胞腫 褐色細胞腫 悪性黒色腫 など
VMA(バニリルマンデル酸)褐色細胞腫 神経芽細胞腫
カルシトニン(CT)甲状腺髄様癌
その他各種ホルモン
組織産生抗原
ALP(アルカリフォスファターゼ)肝傷害 など
PL-ALP(胎盤性ALP)
GAT(癌関連ガラクトース転移酵素)卵巣癌 など
LDH(乳酸脱水素酵素)
NSE(神経特異エノラーゼ)肺小細胞癌 甲状腺髄様癌 褐色細胞腫 神経芽細胞腫 など
PAP(前立腺酸性フォスファターゼ)前立腺癌
ペプシノゲン(PG)/業萎縮性胃炎(分化型胃癌ハイリスク群)
癌関連遺伝子産生物
erbB-2乳癌(低分化型腺癌)

その他
エラスターゼ1(elastase1)
尿中ポリアミン(polyamine)
シアリルSSEA-1抗原(sialyl SSEA-1 antigen)
CTコンピュータ断層撮影(CTスキャン)検査・副作用
CTコンピュータ断層撮影検査は放射線を利用して物体の断面画像を得る技術で様々な臓器の損傷や疾患について診断する際に広く使用されています。

がんに対しても、CT検査によって
・腫瘍の部位特定
・大きさや病期に関する情報
・治療の有効性の確認
・再発を監視

上記のような情報を得ることができ、検査の方針や治療計画の作成の手助けとなります。

CTの種類
単純CT:造影剤を使わずに撮影を行うものを単純CTと呼びます。
一般的なスクリーニングとして用いられる場合が多く、検査の目的によっては造影が逆効果であるため、積極的に単純CTが選択されることもあります。

造影CT:造影剤を投与後に撮影を行うものを造影CTと呼びます。
CTにおいては、X線吸収率の高いヨード造影剤を血管内に注射して撮影を行うものが一般的です。
通常は造影CTといえばこれを指し、他の造影剤を使用する場合、別の特殊な名前で呼ぶことが多い。

CTの副作用と問題点について
放射線被曝CTによる被曝線量は各種放射線検査のうちで、多い方に属します。
ただし血管撮影等の各種IVRに比較すればCTの被曝量は総じて少なく、また放射線治療目的で使用される線量と比較すると極少量です。

その為、放射線による健康被害の内、確定的影響と呼ばれる数週間のうちに白血球減少・脱毛・吐き気等の放射線障害がCTで起こる可能性は殆どありません。

ただし、数ヶ月から数十年後に初めて顕在化してくる発がんリスクの増加、あるいは子孫への遺伝的影響等の確率的影響と呼ばれる影響はどんなに少量の被曝であってもリスクはゼロにはなりません。
従って放射線検査は必要最小限のみ行い無駄な被曝をしないようとどめることが原則です。
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MRI検査・利点・欠点
MRI検査とは、X線撮影やCTのようにX線を使うことなく、その代わりに強い磁石と電波を使い体内の状態を断面像として描写する検査です。体内の水素原子が持つ弱い磁気を、強力な磁場でゆさぶり、原子の状態を画像にします。
脳や卵巣、前立腺等の下腹部、脊椎、四肢などの病巣に関しては、圧倒的な検査能力を持っており、体内の様々な病巣を発見することができます。

MRI検査の利点
・X線などの電離性放射線を使用しないため放射線被曝がない
・造影剤を用いなくとも血管画像が撮影できる
・骨によるアーチファクトが少なく、骨で囲まれた一部の病変はCTよりも描出に優れている
・X線CTで評価できない軟骨や靭帯にも有効で、腰椎椎間板ヘルニアや靭帯損傷、肉離れ、骨軟部腫瘍など、骨以外の運動器の異常の評価に有用

MRI検査の欠点
・MRI用の造影剤によるアレルギー反応や嘔気の副作用がある
・一般的にCTと比較して検査時間が長い
・装置が狭く、閉所恐怖症患者や小児に恐怖心を抱かせることがある
・オープン型MRIだと開放感があるため心的負担は軽減できる
・装置の発する騒音が大きい
・心臓ペースメーカーやその他磁気に反応する金属が体内にあると、検査を受けられない場合がある
超音波検査(エコー検査)
超音波検査とは対象物に探触子を当てて超音波を扇状に発生させ、反射した超音波を受信し、対象物の断面画像がリアルタイムで見ることができる検査です。
固い骨に囲まれている頭蓋のような部分を除けば、体の殆どがエコー検査の適応となります。

代表的なものとしては以下のようなものがある
・腹部超音波検査
・心臓超音波検査
・頸部超音波検査
・乳房超音波検査
・血管超音波検査
・経膣超音波検査
PET検査・CTとの違い
陽電子検出を利用したコンピュータ断層撮影技術です。
CTやMRIが主に組織の形態を観察するための検査法であるのに対し、PETは生体の機能を観察することに特化した検査です。

CTとPETを比較すると、CTでは外部からX線を照射して全体像を観察しているのに対して、PETでは生体内部の放射性トレーサーを観察しているという違いがあり患者への被曝量はCTと比べて少量です。
CT像は人体の構造を描写する事に優れているので形態画像と呼ばれ、PET像は人体の機能や部位を描写することに優れているので機能画像と呼ばれます。
両者の利点を総合的に利用するために、PETとCTを一体化した装置・PET/CTも開発されており、診断には両画像をソフト的に重ね合わせた融合画像が主流となりつつあります。

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