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乳がん・乳癌治療の知識と情報

医療相談

乳がん(乳癌)ステージの進んだ3期、4期(末期)の乳がん(乳癌)では次の様な転移や症状が見られます。
リンパ節転移、骨転移、肺転移、肝臓転移、胸膜転移、脳転移、髄膜転移、腹膜転移、副腎転移、卵巣転移、皮膚や皮組織、大胸筋等に浸潤、胸水、腹水、むくみ、食欲不振、全身の倦怠感、不眠、咳、痰、息苦しさ、痛みなど。

乳がん(乳癌)治療に不安や行き詰まりを感じたり、化学療法(抗がん剤治療)の副作用の軽減、全身状態の改善、QOL(生活の質)の向上、延命、治癒を目指す乳がん(乳癌)の治療法を検討されている方。

西洋医学との併用、あるいは西洋医学以外のアプローチ方法もございますので、乳がん(乳癌)治療無料相談よりお問合せ下さい。

乳がん(乳癌)とは

乳がんは、乳房組織に発生する癌腫です。
乳房組織とは、乳汁を産生分泌する大切な役割をもつ乳腺と皮膚、皮下脂肪からなる器官で、乳汁を産生する腺房とそれを運ぶ乳管、分泌口の乳頭からなります。

日本人の乳癌の多くは、乳管の上皮細胞から発生します。
乳管上皮は基底膜という線維構造物に覆われていますが、それを破らずに乳管の中で広がっていくものを非浸潤癌、その膜を破って増殖するものを浸潤癌といいます。
基底膜の外には、血管やリンパ管がありますので、そこに癌細胞が入り、全身に転移をおこす可能性が高くなります。

非浸潤癌の段階で診断され、適切な治療を受けると、乳癌を完治させる事は100%期待できます。

乳がん(乳癌)なるリスク因子と予防方法

乳がんに罹患するリスクは年齢と共に増加します。
日本人女性の場合、生涯で乳がんに罹患する確率は16人に1人(欧米は8〜10人に1人)です。
乳がんは遺伝的家系的なリスクが強い家系が存在します。

【明確になっているリスク要因】
妊娠・出産歴がない。出産回数が少ない。
第一子出産の後母乳を与えない。(関連がないとする報告もあり)
初経年齢(月経が始まった年齢11歳以下)が低い。
閉経年齢が高い。
ホルモン療法(エストロゲン製剤、ピル等)を受けている。(関連がないとする報告もあり)
飲酒。
喫煙。(日本人を対象とした研究では、喫煙女性の乳がんリスクは、非喫煙者に比べて1.9倍)高脂肪の食事。
20歳時の体重が低いほど、乳がんになりやすい。
閉経後の女性では、成人後の体重の増加が多いほど乳がんになりやすい。
シフトワークによる不規則な生活(夜間勤務)
女性化乳房(男性の場合)

【乳がんの予防の可能性の要素】
余暇運動への参加が多いほど、乳がんになりにくい。
総身体活動量が高い女性は、閉経後においてホルモン受容体陽性の乳がんになりにくい。
過体重の女性では、週1回以上の余暇運動に参加する人は、乳癌になりにくい。
大豆イソフラボンであるゲニステインの血中濃度が高いグループの乳がんリスクは低い。
味噌汁の摂取が多いほど、乳がんになりにくい。
大豆イソフラボンは乳がん発生率減少と関連している。
総野菜・総果物摂取量全体では、乳がん発生との関連は観察されなかったが、閉経前の女性では、「アブラナ科野菜」の摂取量が高いほど、乳がんになりにくいとの報告がある。

がん知識と情報の 「発がん(癌)の原因はなにか?」 「親電子性物質は、環境ストレスを高める発癌物質です」 「がん(癌)のイニシエーター 慢性炎症」 「DNAメチル化異常による発がん」 「がん予防(一次予防・二次予防)」参照

□乳がん(乳癌)の症状

・房の痛み
・房の腫れ
・違和感
・硬い感じ
・しこり
・乳頭からの分泌物
・乳房にくぼみ
・左右の乳首の位置がずれている
・乳首が陥没している
・乳房が熱を持って熱い
・乳房の皮膚に赤みや変色がある
・乳頭がただれている
・首やわきの下にしこり

年齢と共に乳癌の発生する確率は高まりますが、若年齢で発生した乳癌は活動的である傾向が存在します。
乳癌の一種の炎症性乳癌 (Inflammatory Breast Cancer) は特に活動的で、若い女性に偏って発生し、初診時のステージがbまたは犬任△襪海箸多いのです。
この癌は他とは変わっていて、乳癌のしこりが無いこともしばしば見受けられ、マンモグラフィーや超音波検査で発見することが出来ず、乳腺炎 (Mastitis) のような乳房の炎症が症状として現れる非常にたちの悪い乳がんです。

乳がん(乳癌)の検査と診断

乳房の検査の基本は
(1)視診・触診
(2)マンモグラフィ(乳房X線検査)
(3)乳腺エコー検査
の3つです。

視触診で皮膚や乳頭に異常がないか、左右対称か、腫瘤や硬結の有無を調べます。

マンモグラフィ検査では、左右の乳房を斜めと上下に伸展圧迫して、写真を取ります。
腫瘤や石灰化・乳腺構築の乱れなどの異常な影がないかを読み取り、カテゴリー1〜5の5段階で良性⇔悪性の可能性を示します。
この検査には、放射線技師の高精度の撮影技術と、正確に写真を読むためにも経験と知識が必要です。
(日本乳癌学会の認定医・認定施設制度がありますので、認定医のいる病院で受診することをおすすめします。)

乳腺エコー検査も、機器の発達とともに、微小な病変が正確に描出できるようになりました。
拡張した数ミリ程度の乳管中の小さな病変まで捉えることができ、必要に応じて、針先を確認しながらの細胞採取もエコーガイド下にできるようになりました。

これらの3つの検査で、悪性が疑われるときには、まず最初に細い採血に使うときの針を、病変部に刺し、細胞を採取し、顕微鏡で調べる「細胞診検査」を実施します。
これらの結果を総合的に判断して、乳癌か否かを診断します。

細胞診で不確実なときや、検査所見に食い違いがあり、最終診断に悩むときは、超音波ガイド下にやや太目の針を挿入して腫瘍の一部を採取する針生検が最もスタンダードである。

細胞診や針生検で診断が困難な場合には、超音波またはマンモグラフィーを取る機械を用いたマンモトーム生検、MRI検査でしか描出できない多発乳がんなどの場合は、MRI検査をしながら生検を行うMRIガイド下乳腺生検が行われることもあります。

乳がん(乳癌)の病理診断

生検を行った癌細胞の組織型や顕微鏡的なレベルの進行度合い(浸潤性であるか否か、など)を生検の報告に記述しています。

浸潤性乳がんの殆どは腺癌 (adenocarcinoma) で、その中で最も普通の亜型は浸潤性乳管癌です。
他の亜型としては、浸潤性小葉癌、髄様癌、粘液癌(mucinous carcinoma)、管状癌、浸潤性微小乳頭癌、化生癌などがあります。
稀に、腺癌以外の癌腫(あるいは癌腫以外の悪性腫瘍)がみられます。

また、乳腺の増殖性病変の一部は乳癌と紛らわしい良性病変、良性と紛らわしい乳がんの顕微鏡像を呈することがあり、正しい診断に到達するためには、免疫染色という方法を用いることがあります。
乳診断が付くと、次は癌の病期の判定に移ります。
腫瘍の広がり具合と、浸潤や転移の有無を、病期判定の尺度とします。

乳がん(乳癌)の病期(ステージ)診断

乳がんの病期(ステージ)は腫瘍の乳房内での広がり、リンパ節への転移の有無、癌細胞の遠隔転移で決まってきます。
腫瘍の乳房内での広がりには、腫瘍の大きさ、皮膚や胸壁への浸潤の有無、炎症性乳癌という病態かどうかが含まれます。

浸潤・転移が疑われリスクが高い場合は、CTスキャン、骨(シンチグラフィー)、FDG-PET、MRI、血液検査等の追加の検査で、遠隔転移の発見が試みられます。

腫瘍医はTNM分類で区分を簡潔に表現し、推奨される治療法を決定します。
癌の病期を分類する一つの方法としてもTNM分類が使われます。
あるいはエストロゲン受容体 (estrogen receptor) 、HER2/neu癌遺伝子、増殖マーカーであるKi-67 indexなど生物学的要因もまた、化学療法を選択する上での要点となります。

零期
:非浸潤癌
:しこりが2cm以下で、腋窩や頚部リンパ節に転移を認めない状態
A期
:しこりが2cm以下だが、腋窩リンパ節に転移を認める状態、
または、しこりが2-5cmで腋窩や頚部リンパ節に転移を認めない状態
B期
:しこりが2-5cmで、腋窩リンパ節に転移を認める状態、
または、しこりが5cm以上で腋窩や頚部リンパ節に転移を認めない状態
A期
:しこりが5cm以上で、腋窩リンパ節に転移を認める状態、
または、大きさに関係なく腋窩リンパ節の転移がひどい状態
B期
:しこりが皮膚や胸壁に浸潤している状態、頚部リンパ節に転移を認める状態
:肺や肝臓・骨などの遠隔臓器に転移を認める状態


がん治療の知識と情報の「がん診断と病期(ステージ)診断に行われる検査の種類と内容」参照

乳がん(乳癌)の予後因子(リスクファクター)

乳がんの今後の経過を左右する条件があります。
これを予後因子(リスクファクター)と言います。
予後因子には7つありますが年齢以外は全て手術で取った組織を病理的に判定します。

1.35歳以下の若年齢で発生した乳がんは、活動的である傾向が存在し、予後不良。
2.リンパ節転移:最大の予後因子です。
転移があればないよりも予後不良で、その数が増えるほど予後は悪くなります。
3.がんの大きさ、2cmをこえると予後が悪くなることがわかっています。
4.リンパ管・脈管侵襲:がんが周辺組織の血管、あるいはリンパ管に浸潤しているかどうかということです。がん細胞は、血液やリンパ液の流れに乗り遠隔転移を引き起こします。
つまり、脈管浸潤の程度が大きくなるほど予後不良になります。
5.グレード:気ら靴泙任△辰董⊃字が大きくなるほどがんの顔つきが悪く予後不良。
乳がんは乳腺細胞からできますが、顔つきが正常細胞に似てれば転移しにくく、顔つきが悪くなるほど転移しやすい。
6.HER-2(ハーツー)癌遺伝子:この遺伝子があると転移しやすい。
0から+3まであって、+3だけが陽性。
+2のときは灰色なのでFISH法(フィッシュ法)という再検査をします。
7.ホルモン受容体:ER(イーアール:エストロゲン受容体)とPgR(ピージーアール、プロゲステロン受容体)があります。これも0から+3まであってどちらか少しでも+なら陽性。
乳がんは乳腺同様女性ホルモンを栄養にして発育します。
中には女性ホルモンが無くても発育するたちの悪いものがあります。
つまり陰性はたちが悪い。陽性はホルモン療法もよく効く。

乳がん(乳癌)の治療を始めるにあたって

乳がん (乳癌)の治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット・デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 最終的な治療方法を患者さんが主体となって決定する時代になりつつあります。

乳がん (乳癌)の治療をはじめるにあたり「がん(癌)治療の知識と情報」に詳しくまとめましたので参考にしてください。

また医療の進歩とともに治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンドオピニオンを求めることが必要な時代になってきました。

詳しくは「インフォームドコンセント」と「セカンドオピニオン」をご覧下さい。

がん治療の知識と情報の「がん治療法を選択するに際してのアドバイス」を是非参照ください。

乳がん(乳癌)の治療

乳がんは、早期のうちから肺や肝臓・骨などの全身へ小さな微小転移を起こしているケースが多く見られる病気で、手術で、乳房のしこりやリンパ節を取るだけでは、完治を望むのは難しく、その前後の行われる薬物療法が重要となります。

乳がん(乳癌)の化学療法(薬物療法)
乳がんは他の癌種と違い、特徴的なのは、内分泌療法です。
乳癌の60〜70%は女性ホルモン(エストロゲン)感受性があり、その影響により乳がん細胞の増殖が促進されます。

女性のホルモン環境は閉経前と後で大きく異なり、閉経前は卵巣から分泌されますが、閉経後では脂肪組織でアロマターゼという酵素の働きで、副腎由来の男性ホルモンから産生されます。
つまり、使用される薬も閉経の前と後では異なります。

閉経前は、卵巣からエストロゲンが分泌されます。
「LH-RHアゴニスト製剤」は、卵巣を刺激する脳の下垂体の働きを抑えることで、エストロゲンの分泌を減らし、乳がん細胞の増殖を止めます。

閉経後は、脂肪組織や乳がん組織内にあるアロマターゼという酵素がエストロゲンを作りますが、アロマターゼ阻害剤投与によりこれらの部位にエストロゲンを減らし、乳がん細胞の増殖を止めることができます。

アントラサイクリン系(アドリアマイシンやファルモルビシン:AC、EFCなど)
タキサン系(タキソール・タキソテール)
CMF療法(エンドキサン+メトトレキセート+5FU)
その他(カンプト・MMC・5FU系経口抗がん剤など)
これらを上手く組み合わせて、最大限の治療効果が得られるように工夫して使われます。

最近の抗癌剤治療の動向は、術後の抗癌剤治療よりも、手術の前に行う、術前化学療法の重要性が増しています。
術後予定する6〜8コースの治療を手術の前に行うことにより、乳房温存手術の可能性が増し、また抗癌剤の効き具合を知る事ができますので、今後の治療の役立つ情報が、個々に得られる可能性があります。

乳がんの増殖因子の一つにerbB-2という因子があり、その受け皿となるHER2受容体を刺激して、細胞増殖を促します。
HER2陽性の再発乳癌に対して、その刺激をブロックする抗体療法として、ハーセプチンという新しい治療法も登場し、予後の改善がみられています。

乳がん治療法の決定には、癌の性質を正確に評価することが大切で、それには、切除した癌部の詳細な病理検査が必須です。

がん治療の知識と情報「がん(癌)化学療法(抗がん剤・分子標的薬・ホルモン剤)

ホルモン療法の主な副作用

ホルモン療法剤によるエストロゲン分泌や作用を阻害することによって、更年期様症状などの副作用が現れます。

ほてり、のぼせ、頭痛、めまい、熱感、肩こり、不眠、発汗、うつ状態等
体重増加:エストロゲンが低下することにより、コレステロールがたまりやすくなります。
ストレスによる過食などで体重が増えやすくなります。
骨のカルシウムが減少する骨粗鬆症という病気になることがあります。

乳がん(乳癌)の手術療法
外科療法(手術)は、乳房にできたがんを切除するために行います。

がん組織を含めた周りの正常組織を同時に切除しますが、切除される正常組織の範囲は乳がん(乳癌)の病期により異なり、一般的には、早い時期に見つかった乳がん(乳癌)ほど狭い範囲の正常組織を切除するだけで済みます。

従来はたとえ1cmの癌でも乳房切除を余儀なくされていましたが、ここ10数年来、臨床試験が進み、乳房内に取り残しなく癌を切除できた場合、乳房温存する手術と乳房を全て切除する手術の間に成績が変わらないことが証明され、現在では、約2/3の方が、乳房温存手術を受けるようになりました。

その背景には、検診や女性の乳癌に対する意識の向上により、比較的小さな段階でみつかることが多くなったこと、さらに、手術前に化学療法を施行することで、癌の大きさを小さくできるようになったことなどがあげられます。

第2に、腋窩リンパ節のコントロールも重要です。
乳癌が最も転移しやすい場所―腋窩リンパ節で、全体の約40%で、腋窩リンパ節の転移が認められます。
ゆえに、かつては乳癌の患者様は皆「腋窩郭清」といって、腋窩のリンパ節を全て切除するのが、標準治療でした。
その合併症・後遺症として、患肢の腫脹・肩関節可動域制限などがみられ、また日常生活でも重いものを持ってはいけない、点滴を患肢からできないなどの制約を受けていました。

もし、リンパ節転移がない事がわかれば、手術でとる必要もないのでは?という疑問から、最近の研究で、乳房や癌から一番最初に流れ着くリンパ節【「センチネル(見張り)リンパ節」といいます】を手術の際に検査して、転移がなければ、他のリンパ節にも転移していない確率が95%以上であることがわかりましたので、手術前にCTなどの各種検査をして、転移のなさそうな場合、センチネルリンパ節を見つける手技を行い、転移がなければ、それのみ、もしくは少し周りのリンパ節もサンプリングするような「腋窩温存手術」が、主流になってきました。

センチネルリンパ節を見つけるために、腫瘍の周りや乳輪下に、RIコロイドやメチレンブルーなどの色素を注入し、薬剤が集積したリンパ節が、センチネルリンパ節になります。

乳がんの手術−乳房温存療法
乳がんにおける乳房温存療法は、乳房の一部とリンパ節をとり、乳房のふくらみや乳首を残す方法で、乳房扇状部分切除術と乳房円状部分切除術とがあります。

乳がんの外科療法で乳房温存ができる条件は、通常、しこりが1個だけで3cm以下、検査で癌が乳管の中を広がっていない、放射線があてられる、患者さん自身が温存を希望する、などです。
早期の癌でも乳管の中の癌の広がりが広ければ、温存できない場合もあります。

乳房円状部分切除術は乳がん(乳癌)を中心として周囲1.5cmほどの範囲を、正常な乳腺組織も含めて円状に切除する方法です。
併せてわきの下のリンパ節も切除します。
この手術は、乳がん(乳癌)の大きさが小さく、乳房が大きい場合に適しています。メリットは傷跡がほとんど残らないということにあります。

乳房扇状部分切除術は乳がん(乳癌)が比較的大きい場合に行われます。
乳頭を頂点として、乳がんと乳腺組織を扇状に切除します。
乳腺組織の切除する量が多いと乳房が陥没したり、形や大きさが変わることがあります。

この場合残った乳腺組織と皮下脂肪を寄せ合わせて乳腺移行術を行うか、変形が大きい場合には乳房再建術が行われることもあります。
乳房温存療法の場合は、がんを切除しても微細ながん細胞が残っている可能性があるため、乳がんの再発を防ぐ目的で放射線療法が併用されます。
乳がんの大きさが3cmより大きい場合には手術前に薬物療法(抗がん剤やホルモン剤)を行いがんを縮小させてから手術が行われることがあります。
薬物療法によりがんが縮小した場合には切除範囲が小さくてすむため術後の乳房の変形なども少なくてすむメリットがあります。

ただし、ちいさながんに対する術前化学療法が生存率の向上につながるかは現在研究中であり結論は出ていません。
したがって、乳房温存療法が可能である条件が整っている場合にあえて術前の薬物療法をする必要はないと考えられます。

術前に抗がん剤などを勧められた場合には、どのような目的で行う必要があるのか十分に説明を受けるようにしたほうがよろしいと思います。

乳房切除術乳がんの手術−乳房切除術
ハルステッド法は乳房と胸の筋肉、わきの下のリンパ節を切除します。
かつてはこの手術方法が標準的手術方法として実施されてきましたが、現在では乳がん(乳癌)が胸の筋肉に達している場合だけ行われます。

胸筋温存乳房切除術は乳房とリンパ節を切除して胸筋を残します。
現在の日本の乳がん手術の半分強を占め、通常「乳房切除」という時にはこの術式をさすのが普通です。
胸筋を残すため「腕の腫れ」「しびれ」「胸の痛み」などの術後の後遺症が軽くなります。胸の変形もハルステッド法に比較して小さく、乳房が失われても筋肉が残るので胸が大きくえぐれることはなく、下着で補正して服を着れば外からは全くわかりません。

乳房再建術により乳房の形を作ることも可能です。

がん治療の知識と情報「がん手術療法・外科療法」を参照

乳がん(乳癌)の放射線療法

乳がんの治療には放射線治療も有力な治療法です。
乳房温存療法を施行された患者様は、残した乳房からの再発を防止するために、放射線照射をうけることが勧められています。

方法には2通りあり、外部照射と組織内照射があります。

後者の場合、温存手術の時に、照射用のチューブを埋め込み、その中に小さな放射線線源を挿入して治療を行います。
外照射に比べ、乳房内への精密綿密な線量分布を作成でき、皮膚や肺への副作用を最小限に抑えられます。

頚部リンパ節や局所胸壁の再発・骨転移巣への放射線照射など、乳癌治療には欠かせない治療法の一つです。

がん治療の知識と情報「放射線療法」、「放射線療法は、がんを克服できるのか?」を参照

乳がん(乳癌)治療の対策
乳がんは、発見された時は微小な転移が見られるケースが多く、また、再発も多い癌です。
その為、薬物療法、手術療法、放射線療法を組み合わせて治療するため、全身状態の悪化、様々な副作用、QOLの低下、血液状態の悪化などを招き、命の危険が迫ってきます。

薬物療法の副作用の軽減、手術後の早期回復、放射線療法の副作用の軽減などを目指し、良いQOL(生活の質)で不安の無い生きがいのある生活を目指した治療について関心がある方は乳がん(乳癌)治療の無料相談よりお問い合わせ下さい。

乳がん患者さんが、前向きに生きる方とそうでない方では、延命率が倍違うとのデータがあります。

癌(がん)の何が生命を脅かすのか

癌(がん)関連遺伝子(癌遺伝子と癌抑制遺伝子)という遺伝子群の遺伝子の変異(2個〜10個)が遺伝子産物(変異タンパク質)を産生します。

遺伝子産物(変異タンパク質)は生体の生命維持に重大な支障を与え、多臓器不全や身体の衰弱を招きます。
遺伝子産物(変異タンパク質)こそ癌(がん)が生命を脅かす元なのです。

がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)の生体に対する影響

がん化した細胞の種類や発生した部位により産生される物質も異なり、がんの病態や悪性度が規定されます。

また、同じ腫瘍内にあるがん細胞でも、クローン増殖(転写)するがん細胞の増殖スピードが早く、悪性度が高い、そして同じ腫瘍内に多くのクローンが混在していると考えられます。
抗癌剤等の薬剤治療により、クローンが死滅しても別のクローンが特別な物質(薬剤耐久性遺伝子産物(薬剤治療が効かなくなる))を産生し、薬剤や免疫(免疫回避機構)に依る治療等からすり抜ける術を獲得します。

がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)は細胞内に産生される物質と細胞外へ産生される物質があり、細胞内にはシグナル伝達関連タンパク質、細胞外には増殖因子、癌胎児性タンパク質(CEA、AFP)、酵素、ホルモン、サイトカイン等です。

この様な事に依り、がん細胞が無知秩序で抑制不能な細胞増殖や転移、がん細胞のアポトーシス抑制(がん細胞の不死化)やがん周囲の血管新生等の能力を獲得します。

生体に対しては、全身の代謝異常、消化器機能障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、炎症誘導、発熱、悪液質(食欲低下、体重減少)、高カルシウム血症等、腫瘍随伴症候群と呼ばれる癌(がん)が産生した物質が血流に入って体内を循環する事で起こる症候群、特に病期(ステージ)の進んだ末期癌に多く見られます。

癌(がん)を克服するには次の様なことが行われなければなりません

「抗炎症」「変異物質の抑制」「免疫細胞の活性」「癌細胞の死滅」「血液の改善」「クローン阻止」「活性酸素の消去」「代謝異常の改善」等を総合的に行わなければ癌(がん)克服の道筋は見えないのです。

漢方医学療法は、これら問題に対し学術的に裏付けられる療法なのです。
漢方医学療法に関心がある方は乳がん(乳癌)治療の無料相談よりお問い合わせ下さい。