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骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍の知識と情報

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骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍の知識と情報

医療相談

骨転移がん・転移性骨腫瘍 他の部位より骨に転移したがんで、遠隔転移や浸潤により普通複数個骨に発生します。
その治療は、放射線療法や薬物療法が行われ、目的はがんの進行を遅らせる事と、痛みの緩和です。
しかし、長期に痛みをコントロールする事は難しく、痛みの緩和を目的とした薬物治療(モルヒネ、ビスフォスフォネート等)、鎮痛パッチ治療、神経ブロック治療等が施されます。

転移性骨腫瘍(骨転移)では次の様な症状が見られます。
全身の疲れ、痛み、激しい疼痛、不眠、食欲不振、吐き気、行動の不自由、動作の不自由、歩行困難、呼吸が浅い、便秘、腎機能不全、悪寒、微熱、精神的様々な症状等

骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍治療に不安や行き詰まりを感じたり、放射線の副作用の軽減、上記症状の改善、QOL(生活の質)の向上、延命、治癒を目指す骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍の治療法を検討されている方。

西洋医学との併用、あるいは西洋医学以外のアプローチ方法もございますので、骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍治療無料相談よりお問い合わせ下さい。

骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍とは

骨肉腫は多発性骨髄腫と悪性リンパ腫を除く骨の悪性腫瘍のうち、最も発症頻度が高い原発性骨腫瘍で、これらの腫瘍以外の骨に発生したがんは、他の原発巣から転移してきたがんで、骨転移がん(癌)や転移性骨腫瘍といいます。

骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍の発見と診断
骨転移を起こすがんは、ほぼ全てのがんに可能性があり、転移方法は血行転移が一番多く見られます。
転移の発見のきっかけは、腫瘍マーカーの上昇や疼痛等が一番多いようです。

骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍の診断は、X線検査や骨シンチグラフィーで診断します。

骨転移がん(癌)・転移性骨腫瘍の治療

骨に発生したがんの一番の問題は、疼痛です。
がんが増大するにつれ、骨痛のみならず、関節痛、筋痛、神経障害痛などが続発し、身体機能は障害され、QOL(生活の質)や全身状態(PS)は低下するばかりです。
これらの疼痛は、炎症性の疼痛と神経障害性の疼痛に分けられます。

炎症性の疼痛の原因は、炎症性サイトカイン産生、骨吸収や細胞融解、骨膜浸潤よります。
神経障害性の疼痛の原因は、骨浸潤や知覚神経の圧迫によります。
これらの疼痛を和らげるためにまずは、薬物療法にて対応します。

薬物療法
炎症性疼痛には、非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)、アセトアミノフェン、ステロイド、
ビスフォスフォネートです。

第一に挙げられるものは破骨細胞に選択的にアポトーシスを生じることによる治療法としてビスフォスフォネート(BP)が挙げられます。
ビスフォスフォネートを投与することにより、骨転移による合併症が明らかに減少することが大規模臨床試験により確認されています。

ビスフォスフォネート製剤には、経口薬や注射薬などさまざまな薬剤があります。
経口薬は主に骨粗しょう症の治療薬として使われています。
注射薬としてはアレディア(パミドロン酸二ナトリウム水和物)とゾメタ(ゾレドロン酸水和物)が骨転移の治療薬として用いられています。

使用目的は、高カルシウム血症(がんに依る血中へのカルシウムの流出)、骨折の予防、骨痛の緩和等。

ビスフォスフォネートの副作用:安全性の高い薬といえますが、発現率は低いのものの注意しなければいけない副作用の1つが、腎障害です。
顎の骨壊死、特にに下顎は血流が少ないところですが、ビスフォスフォネートによって血管新生が抑えられ、さらに血流が悪くなり、壊死に至ると考えられます。
顎骨壊死の発症率は2パーセント以下。

※「予測される生命予後を検討したうえでビスホスホネートを投与する。」と「がん薬物療法にかんするガイドライン」に記載されています。

非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) は、アラキドン酸カスケードでシクロオキシゲナーゼ (COX) を阻害し、プロスタグランジン(PG) の産生を阻害することで、骨の炎症を抑えて鎮痛作用をもたらす。
WHOラダーで第1段階の薬剤です。

長期に使用する場合には、誘導酵素COX2に選択性の高いNSAIDs (セレコキシブ,エトドラク,メロキシカムなど) を処方します。

副作用対策:消化管出血の予防のため、プロスタグランジン製剤、プロトンポンプ阻害薬、高用量H2受容体拮抗薬のいずれかを併用します。
消化管出血、腎機能障害、血小板低下症例ではNSAIDsをアセトアミノフェンで代用します。

副腎皮質ステロイドは、抗炎症作用と抗浮腫作用による強力な鎮痛効果を期待できます。
副作用として過剰な免疫抑制作用が発現することによる感染症、クッシング症候群、ネガティブフィードバックとして副腎皮質機能不全、糖新生の促進による糖尿病、骨量の減少に伴う骨粗鬆症、消化管粘膜におけるプロスタグランジン産生抑制による消化性潰瘍などが知られています。

オピオイドは、炎症性疼痛と神経障害性疼痛の両方に有効である。
副作用は、眠気、認知障害、幻覚、呼吸抑制、口内乾燥、掻痒感(かさがゆかん)、排尿障害、ミオクローヌス(複数の筋肉が短時間であるが不随意に収縮する)、痛覚過敏

カルシトニンは、破骨細胞上のカルシトニン受容体に作用することで,破骨細胞の運動や分化抑制により鎮痛作用を発揮します。
末梢神経や中枢神経への直接作用による鎮痛効果もあるとされています。
ビスフォスフォネートに対し効果が速やかに発現し、重篤な副作用が少ない。
副作用は、顔面紅潮、タンパク製剤の為アレルギーの方は投与が出来ません。
ビスホスホネートとの併用も、カルシウム濃度が急激に下がるおそれがあるため、併用注意です。

モルヒネ(塩酸モルヒネ)の使用目的と副作用
骨転移がんは、進展すると激しい疼痛を伴います。
疼痛により、不眠や体力の低下で全身状態やQOLが著しく低下します。
疼痛から解放すためにモルヒネを使用します。

モルヒネの作用機序:モルヒネはオピオイド神経を興奮させ、下行性疼痛制御により、侵害受容器(痛みを感じる受容器)で発生した興奮の伝達を遮断し上行性疼痛伝達をとめることにより中枢鎮痛作用を示します。

モルヒネの副作用:・依存性、・吐き気、・便秘、・眠気、・血圧低下、・呼吸抑制、・筋硬直
・尿管、膀胱の排尿筋や尿道括約筋を収縮させ、尿意促迫や尿閉をおこす。(前立腺肥大症の患者では注意が必要)等

放射線(外部照射)療法のメリット・デメリット
メリット:放射線治療は、骨転移を切除せずに治療できる療法です。

デメリット:1か所の病変部位に対する治療回数は、基本的には一回という点で、再発した場合二度目の治療はできません。
理由は、照射される部位によって、耐容線量といい、正常組織に障害を起こさないための上限があるためです。

放射線(内部照射)療法のメリット・デメリット
メリット:骨転移が多数の骨に広がると、様々な部位を何度も外照射するのは非常に大変です。
この様な場合に、放射性医薬品を1回注射するだけで、全身の骨転移部位を一度に放射線治療できる内用療法があります。
骨転移に対する放射性医薬品として、我が国では塩化ストロンチウム-89(商品名:メタストロン注)が保険収載されています。

ストロンチウム-89で疼痛緩和のメカニズム
ストロンチウムという放射性物質は、骨をつくるカルシウムと似た性質があります。
治療にはストロンチウムのうち、ベータ線という治療に適した放射線を出骨転移部位では骨が溶かされる一方、その周辺では骨の製造も盛んになるので、骨の成分であるカルシウムがたくさん取り込まれます。

ストロンチウム-89は体に投与されると、カルシウムと同様に骨転移の部分にたくさん集まり、骨転移部位をベータ線で照射します。
これにより、骨転移部位にあるがん細胞や破骨細胞を死滅・縮小させる、または、痛みの原因物質の産生が低下するなど、外照射と同じようなメカニズムで痛みが和らぐと考えられています。

ストロンチウム-89治療適応:造骨性固形がんで、骨シンチグラフィーで多発性骨転移が認められ、痛みの部分と一致する事が必要です。
多発性骨髄腫などの血液悪性腫瘍は骨病変が溶骨性であり対象外です。

ストロンチウム-89の有効率:89Sr投与による有効率は76%のうち完全寛解が32%(全体の23%)、鎮痛薬の減少が71〜81%(全体の54%〜46%)と報告されています。
治療目的は、痛みの緩和で、がんの治療を目的にしたものではありません。

デメリット:副作用で骨髄抑制が出現する事があるため、抗がん剤との併用は不可能です。
また、投与後1〜5日以内に一時的に痛みが増強し4日程度続く現象 (PainFlare) が15%程度現れる事があるので注意を要します。

ストロンチウム-89の半減期:50から52日と短期間です。

神経ブロック
神経ブロックは、強オピオイドが多量となる場合、強オピオイドが副作用のため増量できない場合、強オピオイド抵抗性の痛みを有する場合などに適応されます。

骨転移痛で施行される神経ブロック
・硬膜外ブロック
・脊髄くも膜下ブロック
・肋間神経ブロック
・仙腸関節周囲高周波熱凝固ブロック
・脊髄神経後枝内側枝高周波凝固ブロック

神経ブロックにつきましては、専門家にご相談下さい。

鎮痛パッチ治療(デュロテップRMTパッチ)
骨転移がんによる疼痛(痛み)を抑える目的の経皮吸収薬です。

特徴と注意事項
フェンタニルを有効成分とするオピオイドと呼ばれる鎮痛薬です。
そのなかでもとくに強力な麻薬系の強オピオイド鎮痛薬になります。
有効限界がない完全作動薬とされ、用量増加とともに作用も増強します。
WHO方式疼痛治療法で第3段階に位置づけられ、中等度から高度の疼痛に適します。

同類の代表薬であるモルヒネをしのぐ鎮痛効果が期待できます。
モルヒネとの効力比は1:100くらいです。
また、モルヒネに比べ、便秘や眠気、うとうと、せん妄などの副作用が少ないです。

脂溶性が高く、おもに肝臓で代謝されます。
このため、腎臓の悪い人でも比較的安全に使用できます。

皮膚からゆっくり吸収される持効性の貼り薬です。
持続痛をおさえるための基本薬として定期的に使用することになります。
速効性はないので、一時的に強まる突出痛の治療には向きません。

デュロテップパッチは3日毎の貼り替えです
一度貼れば3日ほど効果が持続します。
貼り替えの手間が少なく服薬管理が楽そうです。
さらに、1日1回タイプのワンデュロパッチも発売されました。
こちらは毎日の貼り替えになるので、日付を気にすることなく、貼り忘れがかえってないかもしれません。

がん性疼痛にくわえ、非がん性の慢性疼痛に対する効能が、デュロテップパッチとワンデュロパッチにおいて追加承認されました(2010年、2013年)。処方対象は、長時間続く耐えがたい痛み、たとえば帯状疱疹後神経痛など神経障害にもとづく痛みなどです。
ただし、安易な使用は好ましくないので、第1選択薬とはせず一般的な鎮痛薬が効かない場合に限ります。
また、書面で同意を得るなど一定のルールに基づかなければなりません。

慢性肺疾患など呼吸器系に病気のある人は、呼吸抑制に注意するなど慎重に用いる必要があります。
また、肝臓の働きが落ちている人は、薬の排泄が遅れ血中濃度が上昇しやすいです。
なお、この貼り薬は熱の影響を受けやすく、熱により薬の吸収量が増加する性質があります。
このため、40℃以上の発熱時や激しい運動のさいは、副作用の発現に注意が必要です。

注意が必要なケース:慢性肺疾患、喘息、心臓病、肝臓病、腎臓病、意識障害、
頭蓋内圧亢進のある人、高熱、激しい運動による体温上昇時、高齢の人など。

飲み合わせ・食べ合わせ

安定薬など脳の神経をしずめる薬と併用すると、いろいろな副作用がでやすくなります。併用のさいは、眠気やふらつき、過度の鎮静、呼吸抑制、低血圧などに留意してください。

ある種の薬と飲み合わせると、この薬の代謝が遅れ作用が強まるおそれがあります。
たとえば、抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)、抗菌薬のクラリスロマイシン(クラリス)、血圧と心臓の薬のジルチアゼム(ヘルベッサー)、抗うつ薬のフルボキサミン(デプロメール、ルボックス)などに注意が必要です。

この薬の作用を弱める薬剤には、抗けいれん薬のカルバマゼピン(テグレトール)やフェノバルビタール(フェノバール)、フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、抗結核薬のリファンピシン(リファジン)、ステロイド薬のデキサメタゾン(デカドロン)などがあります。
逆に併用後に中止すると、この薬の作用が増強するおそれがあります。

抗うつ薬のSSRI(ルボックス、デプロメール、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ)やSNRI(トレドミン、サインバルタ)、あるいは抗パーキンソン病薬のセレギリン(エフピー)などとの併用により、セロトニン症候群という副作用がでやすくなる可能性があります。併用のさいは体調の変化に注意が必要です。

飲酒は控えてください。めまいや眠気、呼吸抑制などの副作用がでやすくなります。

モルヒネなど他のオピオイド鎮痛薬から切り替えて使用するのが基本です。
切り替え方は、それまでの製剤の種類によって違いますので、医師の指示どおりにしてください。