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漢方医学療法 研究の歴史

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頭頸部がん・頭頸部癌治療の知識と情報

頭頸部がん・頭頸部癌における漢方医学療法

漢方医学療法研究会は漢方医学療法が、がん闘病者の治療の福音になればと研究を重ねてきました。
漢方医学療法の作用の一部を闘病者の声として頂いており、声の中から重要度の高い項目に関しての資料をご用意しました。
当研究会の研究成果や実績については「漢方医学療法のがん治療研究における成果」をご覧ください。

医療相談

頭頸部がん(頭頸部癌)は、がんがかなり大きくならないと症状が出ない部位であり、発見された時は頸部リンパ節転移や周囲組織に浸潤が見られる場合も多い。
ステージの進んだ3期、4期(末期)の頭頸部がん(頭頸部癌)は次の様な転移や症状が見られます。
周囲組織(骨、軟骨、筋肉)に浸潤、リンパ節転移、肺転移、骨転移、肝臓転移、飲み込む時の異物感、声がれ、息苦しさ、頸部や耳の周りの痛みなど。

頭頸部がん(頭頸部癌)治療に不安や行き詰まりを感じたり、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法の副作用の軽減、全身状態(PS)の改善、QOL(生活の質)の向上、延命、治癒を目指す頭頸部がん(頭頸部癌)の治療法を検討されている方。
お問い合わせをお考えの方はまず「漢方医学療法を始めるにあたって」をご覧ください。

西洋医学との併用、あるいは西洋医学以外のアプローチ方法もございますので、頭頸部がん(頭頸部癌)治療無料相談よりお問合せ下さい。

□頭頸部がん(頭頸部癌)とは

頭頸部は、顔面頭蓋から頸部にかけての部位をいいます。
一般的にその範囲であっても、脳 や脊髄、眼窩内は除きます。
頭頸部癌は、頭頸部領域に発生した悪性腫瘍です。

頭頸部癌は、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚器を含む。
また、呼吸、発声、摂食、嚥下などに密接に関係しています。
頭頸部は、組織に余裕がない為、周囲組織に浸潤しやすいのです。

頭頸部癌は、比較的放射線感受性が高い腫瘍が多いので、放射線療法、手術療法が主体となります。
頭頸部は、大変複雑な構造をしており、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚器、発声や嚥下といった重要な機能など、デリケートで微妙なメカニズムで成り立っています。

ですから、手術をされる場合
・どこにがんがあるのか
・どこまで切除するのか
・どのような再建方法をとるのか
によって、QOLは大きく変わってきます。

切除する範囲が1センチ違うだけでQOLに大きな差が出る場合があります。

頭頸部癌は、他のがんに比べ、リンパ節転移の状況が重大な予後因子になっています。
たとえ1カ所でもリンパ節に飛んでいれば、その時点でステージはⅢ。
それ以上では、ステージⅣになってしまいます。
患者さんとしては、原発巣ももちろんですが、ご自身のリンパ節転移の状況を正確に把握することが、治療方針を立てる上での指標となります。

頭頸部には大変リンパ流が多く、頸部には約150~350個のリンパ節(全身のリンパ節の約1/3)が存在するため、頭頸部癌は、周辺のリンパ節に転移しやすく、50-60%の人が初診時にはすでに転移しているといわれています。

原発巣による症状は違和感程度で、むしろ、首のどこかにグリグリした腫れができたこと
から受診することも多く、つまり、かなり多くの人が、ステージⅢまたは、ステージⅣで見つかっているということになります。

頸部のリンパ節転移の状況は、原発巣と同等かそれ以上の重要な予後因子になります。
数多く転移していれば、標準的な頸部郭清手術を行っても、5年生存率は不良です。

このような特徴があるため、がん治療で最も大切な根治性とQOL(生活の質)の保 持をバランスよく保つことが難しいのです。

頭頸部癌としては、主に以下の部位があげられます。
:聴器癌
鼻・副鼻腔
:鼻腔癌、上顎癌
口腔
:舌癌、口腔底癌など
咽頭
:上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌
喉頭
:喉頭癌
頸部
:甲状腺癌、原発不明癌など
唾液腺
:耳下腺癌、顎下腺癌など


頭頸部癌が全癌に占める割合は約5%にすぎず、この中に多くの部位が存在しますので、各 部位別に分けるとその頻度としては少なくなります。
しかし、好発年齢を考えると、将来の高齢化社会とともに増加する可能性があります。
頭頸部癌は、発生部位により癌の性質が異なる ため、治療法も異なります。
また、同じ部位の癌でも病期によって治療法が異なります。
従っ て、原発巣の部位の確定と病期の把握が重要となります。
病期は原発巣の進行度、頸部リン パ節転移、遠隔転移の3項目で決定されます。
それぞれについて正確な診断をし、正確な病 期を決定する必要があります。

□頭頸部がん(頭頸部癌)の発がん因子

塩蔵魚、飲酒、熱い飲食物等の食生活習慣、喫煙、口腔衛生、ウイルス、大気汚染、発癌性化学物質への暴露など、様々な環境因子が発癌に関与していると考えられている。

がんの知識と情報
発がん(癌)の原因はなにか?
親電子性物質は、環境ストレスを高める発癌物質です
がん(癌)のイニシエーター 慢性炎症
細菌叢(ヒトマイクロバイオーム)とがん(癌)」を参照

頭頸部がん(頭頸部癌)の検診と診断

視診と組織診により診断を確定します。
がんの深部への広がりや、骨破壊の程度などを把握するためにCT、MRの画像診断を行います。

視診:鼻や耳の穴に光を当てて中を観察したり、口から小さな鏡のついた器具を入れて鼻やのどの奥を観察して、腫瘍の有無を確かめます。
鼻からファイバースコープを挿入して直接観察する方法もあります。

触診:口の中に指を入れてがんがあると疑われる部分に直接触れ、がんの大きさや硬さ、広がりなどを調べます。
また、首の回りを丁寧に触って、リンパ節への転移がないか調べます。

生検:咽頭(いんとう)や喉頭(こうとう)に局所麻酔を行い、咽頭反射と表面の痛みを除去した後、内視鏡で観察しながら疑わしい組織の一部を切り取り、顕微鏡でがんか否かを調べます。

画像診断:超音波(エコー)検査、)CT検査、MRI検査をおこないます。

がん治療の知識と情報の「がん診断と病期(ステージ)診断に行われる検査の種類と内容」参照

頭頸部がんの病期(ステージ)

ここでは、TNM分類のT進行度は、各部位ごとに説明いたします。

N頸部リンパ節転移
 'N0'は頸部リンパ節転移を認めないもの
 'N1'は患側に3cm以下のリンパ節を1個認めるもの
 'N2a'は患側に3cmをこえ6cm以下のリンパ節を1個認めるもの
 'N2b'は患側に6cm以下のリンパ節を複数個認めるもの
 'N2c'は両側あるいは健側に6cm以下のリンパ節を認めるもの
 'N3'は6cmをこえるリンパ節を認めるもの、と定義されています。

なお、甲状腺癌に関しては、
'N0' は頸部リンパ節転移を認めないもの
'N1a'は患側の頸部リンパ節転移を認めるもの
'N1b'は両側、正中または健側の頸部リンパ節転移あるいは上縦隔リンパ節転移を認めるもの
'Nx'はリンパ節転移の評価が不可能のもの、と定義されています。

M遠隔転移
'M0'は遠隔転移を認めないもの
'M1'は遠隔転移を認めるもの
遠隔転移の有無は、全身ガリウムシンチ、骨シンチといった全身の検索と、頭頸部癌で転移を 起こしやすい肺や肝臓のCTで検索します。

病期
ステージⅠ:T1N0M0
ステージⅡ:T2N0M0
ステージⅢ:T3N0M0、T1-3N1M0
ステージⅣ:上記以外
原発部位で多少異なる部分もありますが、ほぼ上記の分類です。

頭頸部がん(頭頸部癌)の治療をはじめるにあたり

頭頸部がん(頭頸部癌)の治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット・デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 最終的な治療方法を患者さんが主体となって決定する時代になりつつあります。

頭頸部がん(頭頸部癌)の治療をはじめるにあたり「がん(癌)治療の知識と情報」にまとめましたので参考にしてください。

また医療の進歩とともに治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンドオピニオンを求めることが必要な時代になってきました。

詳しくは「インフォームドコンセント」と「セカンドオピニオン」をご覧下さい。

がん治療の知識と情報の「がん治療法を選択するに際してのアドバイス」を是非参照ください

頭頸部がん(頭頸部癌)治療

各部位により治療法が異なりますので各部位別治療法をご覧ください。

頭頸部癌としては、主に以下の部位があげられます。

副鼻腔がん鼻腔がん上顎がん顎がん
口腔
舌がん口底がん(口腔底癌)硬口蓋がん、歯肉がん、頬粘膜がん
咽頭
上咽頭癌中咽頭癌下咽頭癌
喉頭
喉頭がん
頸部
唾液腺
唾液腺がん、耳下腺がん、舌下腺がん、顎下腺がんなど


強力な化学療法(抗がん剤)/放射線療法の副作用対策

強力な化学療法や放射線療法を行えば当然副作用も強く、白血球の減少による感染症、血小板の減少による出血などがおこりやすくなります。
白血球や赤血球、血小板などが低下することを骨髄毒性(骨髄抑制)といいます。

骨髄抑制により身の回りを清潔に保ちウイルスや細菌などの感染を予防する必要があります。
また免疫の低下により帯状疱疹もできやすく、しかも悪化しやすくなります。

治療中は規則正しい生活を送り、免疫力を維持すること、および骨髄抑制からできるだけ早く回復するよう心がけが必要となります。

癌(がん)の何が生命を脅かすのか

癌(がん)関連遺伝子(癌遺伝子と癌抑制遺伝子)という遺伝子群の遺伝子の変異(2個~10個)が遺伝子産物(変異タンパク質)を産生します。

遺伝子産物(変異タンパク質)は生体の生命維持に重大な支障を与え、全身状態(PS)の低下、多臓器不全や身体の衰弱を招きます。
遺伝子産物(変異タンパク質)こそ癌(がん)が生命を脅かす元なのです。

がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)の生体に対する影響

がん化した細胞の種類や発生した部位により産生される物質も異なり、がんの病態や悪性度が規定されます。

また、同じ腫瘍内にあるがん細胞でも、クローン増殖(転写)するがん細胞の増殖スピードが早く、悪性度が高い、そして同じ腫瘍内に多くのクローンが混在していると考えられます。
抗癌剤等の薬剤治療により、クローンが死滅しても別のクローンが特別な物質(薬剤耐久性遺伝子産物(薬剤治療が効かなくなる))を産生し、薬剤や免疫(免疫回避機構)に依る治療等からすり抜ける術を獲得します。

がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)は細胞内に産生される物質と細胞外へ産生される物質があり、細胞内にはシグナル伝達関連タンパク質、細胞外には増殖因子、癌胎児性タンパク質(CEA、AFP)、酵素、ホルモン、サイトカイン等です。

この様な事に依り、がん細胞が無知秩序で抑制不能な細胞増殖や転移、がん細胞のアポトーシス抑制(がん細胞の不死化)やがん周囲の血管新生等の能力を獲得します。

生体に対しては、全身の代謝異常、消化器機能障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、炎症誘導、発熱、悪液質(食欲低下、体重減少)、高カルシウム血症等、腫瘍随伴症候群と呼ばれる癌(がん)が産生した物質が血流に入って体内を循環する事で起こる症候群、特に病期(ステージ)の進んだ末期癌に多く見られます。

癌(がん)を克服するには次の様なことが行われなければなりません

「抗炎症」「変異物質の抑制」「免疫細胞の活性」「癌細胞の死滅」「血液の改善」「クローン阻止」「活性酸素の消去」「代謝異常の改善」等を総合的に行わなければ癌(がん)克服の道筋は見えないのです。

漢方医学療法は、これら問題に対し学術的に裏付けられる療法なのです。
漢方医学療法に関心がある方は頭頸部がん治療の無料相談よりお問い合わせ下さい。