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歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん・口腔癌治療の知識と情報

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歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん・口腔癌における漢方医学療法

漢方医学療法研究会は漢方医学療法が、がん闘病者の治療の福音になればと研究を重ねてきました。
漢方医学療法の作用の一部を闘病者の声として頂いており、声の中から重要度の高い項目に関しての資料をご用意しました。
当研究会の研究成果や実績については「漢方医学療法のがん治療研究における成果」をご覧ください。

医療相談

口腔がん(口腔癌)・歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん 病期の進んだ3期、4期(末期)口腔がん(癌)では次の様な転移や症状が見られます。
リンパ節転移、近隣組織への浸潤、腫張、疼痛、膨隆、びらん、潰瘍形成など。

口腔がん(口腔癌)治療に不安や行き詰まりを感じたり、化学療法(抗がん剤治療)の副作用の軽減、全身状態(PS)改善、QOL(生活の質)の向上、延命、治癒を目指す口腔がん(口腔癌)の治療法を検討されている方。
お問い合わせをお考えの方はまず「漢方医学療法を始めるにあたって」をご覧ください。

西洋医学との併用、あるいは西洋医学以外のアプローチ方法もございますので、
歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん治療無料相談よりお問合せ下さい。

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)とは

口腔がんとは、その名の通り口腔内、つまり口の中にできる悪性腫瘍の総称です。
悪性腫瘍つまり癌は体内の様々なところに発症する可能性がありますが、口腔内に発症する確率は全悪性腫瘍の中で1~5%と言われています。
口腔がんは生命に関わる重大な疾患であることは勿論、生活するに当たって重要な役目を果たす「食べること」「話すこと」「呼吸すること」といった機能が損なわれる為、深刻な問題になります。

「口腔がん」は総称ですので、口の中のどの部位に癌が発症するかで更に細かく名称が分けられます。
舌がん・歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん、その中でも日本で最も多いのが舌にできる「舌癌」で、口腔がんの約60%を占めているそうです。

次に日本において多く見られるのは歯肉つまり歯茎にできる「歯肉癌」です。
上あごよりも下あごの臼歯部分の歯茎に発生することが多く、しかも下あご部分の歯肉癌の方がリンパ節へ転移しやすいと言われています。
また歯周病や虫歯で炎症を繰り返している部分、あるいは合わない入れ歯の下の粘膜部分に発症するケースも多いようです。
ですから大体40才からの発症が多いとされています。
歯肉癌も他の疾患、例えば歯周病などと症状が似ているために気付かれず発見が遅れてしまうこともあります。

更に下あごの歯肉と舌の間、下の奥、裏側にあたる部分にできる癌を「口底癌又は、口腔底癌」と呼びます。
これも歯肉癌同様日本において比較的多く見られる口腔がんですが、特に男女比率で言うと4:1と男性に多いと言われています。
口腔底癌は舌や歯肉に接している為、そちらへ転移しやすい傾向にあります。
その他にも口腔がんとして、頬粘膜癌・硬口蓋癌といったものが挙げられます。

腫瘍は、口腔上皮に出来る癌腫と肉腫に分けられ、そのうち90%が癌腫で、10%が肉腫、
癌腫は、扁平上皮癌です。
口腔癌になりやすい状態として、白板症や紅板症のような前癌病変や扁平苔癬といった前癌状態が存在します。
紅板症は癌化率が40~50%と高く、臨床的には癌として取り扱うべきとされます。


疫学調査によると、日本では、40歳以降に好発である。
正確な調査は行われていないが、1975年には2,100人であった罹患患者数は、2005年には6900人、2015年には7,800人に達すると考えられている。
癌全体に占める割合は1%と変動がないが、癌患者全体の増加に比例して増加してきている。歯肉、頬粘膜では60歳代、舌、口腔底、口唇では50歳代です。
男女比はおよそ1.8:1で男性が高い。

危険因子として挙げられるものとして、ウイルスとくにヒトパピローマウイルスや、喫煙、飲酒、不適切な補綴物等の機械的刺激などが挙げられている。
この中で最大の危険因子は喫煙とされ、寄与危険度58.1%とされる。
飲酒の寄与危険度は35.5%であるが、喫煙と飲酒の両方の因子を持つもののリスクは相乗的に上昇するとされる。
特定の遺伝子の異常が口腔癌の原因であるとの報告はない。

2005年に、スウェーデンのマルメ大学で行われた研究は、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した人間との、予防手段を用いないオーラルセックスは口腔癌のリスクを高めると示唆した。
この研究によると、癌患者の36%がHPVに感染していたのに対し、健康な対照群では1%しか感染していなかった。

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)の診断と検査・転移

口内に異変を感じてなかなか治らないと感じるなら、早めに病院で検査してもらうことをお勧めします。
口腔がんは早期治療で90%完治すると言われていますから、とにかく早期発見が必須です。

口腔がんの検査方法は、大きく分けて「視診・触診」「病理検査」「画像診断」の3つです。
一番は、視診と触診です。
とくに触診は重要で、視診上は腫瘍を疑わせる所見がないのに硬結(癌による硬化)を触れることがあります。
画像はMRIが拡がりを把握するのに適しています。
口腔底から下 顎骨付近まで浸潤する場合は、CTなどで骨に浸潤がないかを確認します。

検査:腫瘍部位の病理検査のほか、原発部位や転移部位の画像診断として、CT、MRI、PET、超音波、胸部X線、Gaシンチグラフィ、骨シンチグラフィが、また、重複癌の精査などで上部消化管内視鏡検査、消化管造影検査等が行われます。
(頭頸部癌の患者は胃癌、食道癌を重複癌として発症することが多いため、上部消化管内視鏡を用いてこれらの癌の有無を精査します。)

転移:特に顎下リンパ節や内頸静脈リンパ節に転移することが多いとされるほか、近年、画像診断機器の性能の上昇に伴い、舌リンパ節への転移の評価が容易になったことから、同部への転移の報告が増加しています。

遠隔転移:肺・気管が最も多く、この他、胸膜、肝臓、甲状腺、骨、腎臓、副腎、心臓、血管への転移や、肺・肺門・咽頭・食道・気管周囲・鎖骨・縦隔・静脈角・腹部大動脈周囲・後腹膜等のリンパ節への転移が認められます。
稀な例として乳腺等への転移も報告されています。

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)の病期分類

[T 分類]腫瘍
TX 原発腫瘍の評価が不可能
T0 原発腫瘍を認めない
Tis 上皮内癌
T1 最大径が 2 cm 以下の腫瘍
T2 最大径が 2 cm をこえるが 4 cm 以下の腫瘍
T3 最大径が 4 cm をこえる腫瘍
T4a 骨髄質,舌深層の筋肉 / 外舌筋(オトガイ舌筋,舌骨舌筋,口蓋舌筋,茎突舌筋),上顎洞,顔面の皮膚に浸潤する腫瘍
T4b 咀嚼筋間隙,翼状突起,または頭蓋底に浸潤する腫瘍,または内頸動脈を全周性に取り囲む腫瘍

注:歯肉を原発巣とし,骨および歯槽のみに表在性びらんが認められる症例は T4 としない。

[N 分類]頸部リンパ節転移
NX 所属リンパ節転移の評価が不可能
N0 所属リンパ節転移なし
N1 同側の単発性リンパ節転移で最大径が 3 cm 以下
N2a 同側の単発性リンパ節転移で最大径が 3 cm をこえるが 6 cm 以下
N2b 最同側の多発性リンパ節転移で最大径が 6 cm 以下
N2c 両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が 6 cm 以下
N3 最大径が 6 cm をこえるリンパ節転移

注:正中リンパ節は同側リンパ節である。

[M 分類]遠隔転移
MX 遠隔転移の評価が不可能
M0 遠隔転移なし
M1 遠隔転移あり

[病期分類]
0期 Tis N0 M0
Ⅰ期 T1 N0 M0
Ⅱ期 T2 N0 M0
Ⅲ期 T1/2 N1 M0
T3 N0/1 M0
ⅣA期 T1/2/3 N2 M0
T4a N0/1/2 M0
ⅣB期 T4b Nに関係なく M0
Tに関係なく N3 M0
ⅣC期 T,Nに関係なく M1

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)の治療をはじめるにあたり

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)の治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット・デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 最終的な治療方法を患者さんが主体となって決定する時代になりつつあります。

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)の治療をはじめるにあたり「がん(癌)治療の知識と情報」にまとめましたので参考にしてください。
また医療の進歩とともに治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンドオピニオンを求めることが必要な時代になってきました。

詳しくは「インフォームドコンセント」と「セカンドオピニオン」についてをご覧下さい。

がん治療の知識と情報の「がん治療法を選択するに際してのアドバイス」を是非参照ください

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)の治療

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)の治療は、がんの摘出手術が優先されます。
原発巣が小さいⅠ期やearlyⅡ期の場合、舌の部分切除術を行いますが、嚥下や構音といった機能に障害をきたすことはありません。

原発巣が大きくなると、切除 範囲が大きくなるため、機能障害は必発します。
嚥下障害をおこしそうな場合、輪状咽頭筋切 断術や喉頭挙上術といった嚥下機能補助手術を同時に行うこともあります。
放射線治療を行った場合は、口腔内に放射線があたるわけですから、治療後に味覚障害や 口腔内乾燥感をきたします。

治療参考例
T1N0、early T2N0:原発巣のレーザー切除
T2N0:原発巣のレーザー切除+患側上頸部郭清術(予防的)
T1N1-3,T2N1-3:原発巣のレーザー切除+患側根治的頸部郭清術・N2c(両側)の場合は健側の全頸部郭清術(内頚静脈を温存)も行う 術後放射線治療
T3N0:原発巣の広範囲切除+患側根治的頸部郭清術+切除部分の再建手術熄p後放射線治療
T3N1-3,T4N0-3: 原発巣の広範囲切除+患側根治的頸部郭清術+健側上頸部郭清術+切 除部分の再建手術 術前全身化学療法1-2コース 術後放射線治療

口腔がん(歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん)治療後と障害

治療後の経過観察の基準は現段階では存在しないが、5年は必須、10年が望ましいとされています。
治療により、摂食・嚥下障害・構音障害などが起こります。

以上の情報以外に「頭頸部がん(頭頸部癌)の知識と情報」を参照ください。

強力な化学療法(抗がん剤)/放射線療法の副作用対策

強力な化学療法や放射線療法を行えば当然副作用も強く、白血球の減少による感染症、血小板の減少による出血などがおこりやすくなります。
白血球や赤血球、血小板などが低下することを骨髄毒性(骨髄抑制)といいます。

骨髄抑制により身の回りを清潔に保ちウイルスや細菌などの感染を予防する必要があります。
また免疫の低下により帯状疱疹もできやすく、しかも悪化しやすくなります。

治療中は規則正しい生活を送り、免疫力を維持すること、および骨髄抑制からできるだけ早く回復するよう心がけが必要となります。

癌(がん)の何が生命を脅かすのか

癌(がん)関連遺伝子(癌遺伝子と癌抑制遺伝子)という遺伝子群の遺伝子の変異(2個~10個)が遺伝子産物(変異タンパク質)を産生します。

遺伝子産物(変異タンパク質)は生体の生命維持に重大な支障を与え、多臓器不全や身体の衰弱を招きます。
遺伝子産物(変異タンパク質)こそ癌(がん)が生命を脅かす元なのです。

がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)の生体に対する影響

がん化した細胞の種類や発生した部位により産生される物質も異なり、がんの病態や悪性度が規定されます。

また、同じ腫瘍内にあるがん細胞でも、クローン増殖(転写)するがん細胞の増殖スピードが早く、悪性度が高い、そして同じ腫瘍内に多くのクローンが混在していると考えられます。
抗癌剤等の薬剤治療により、クローンが死滅しても別のクローンが特別な物質(薬剤耐久性遺伝子産物(薬剤治療が効かなくなる))を産生し、薬剤や免疫(免疫回避機構)に依る治療等からすり抜ける術を獲得します。

がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)は細胞内に産生される物質と細胞外へ産生される物質があり、細胞内にはシグナル伝達関連タンパク質、細胞外には増殖因子、癌胎児性タンパク質(CEA、AFP)、酵素、ホルモン、サイトカイン等です。

この様な事に依り、がん細胞が無知秩序で抑制不能な細胞増殖や転移、がん細胞のアポトーシス抑制(がん細胞の不死化)やがん周囲の血管新生等の能力を獲得します。

生体に対しては、全身の代謝異常、消化器機能障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、炎症誘導、発熱、悪液質(食欲低下、体重減少)、高カルシウム血症等、腫瘍随伴症候群と呼ばれる癌(がん)が産生した物質が血流に入って体内を循環する事で起こる症候群、特に病期(ステージ)の進んだ末期癌に多く見られます。

癌(がん)を克服するには次の様なことが行われなければなりません

「抗炎症」「変異物質の抑制」「免疫細胞の活性」「癌細胞の死滅」「血液の改善」「クローン阻止」「活性酸素の消去」「代謝異常の改善」等を総合的に行わなければ癌(がん)克服の道筋は見えないのです。

漢方医学療法は、これら問題に対し学術的に裏付けられる療法なのです。
漢方医学療法に関心がある方は歯肉がん・口底がん・硬口蓋がん・頬粘膜がん治療の無料相談よりお問い合わせ下さい。