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漢方医学療法について
体細胞の種類と分類
体細胞とは、多細胞生物を構成する細胞のうち生殖細胞以外の細胞のことを言い、およそ200種あると考えられています。

体細胞は、有性生殖においては次世代へは受け継がれません。
ある目的に特化してしまいそれ以外の細胞にならない分化した細胞と、何種類かの異なった機能を持つ細胞に分化する能力を持った細胞があります。
後者は幹細胞と呼ばれ、その種類や多能性によって様々なものがあります。


幹細胞(stem cell)は、複数系統の細胞に分化できる能力(多分化能)と、細胞分裂を経ても多分化能を維持できる能力(自己複製能)を併せ持つ細胞と定義されています。
発生における細胞系譜の幹(stem)になることから名付けられました。

幹細胞から生じた二つの娘細胞(細胞分裂後述参照)のうち、一方は別の種類の細胞に分化するが他方は再び同じ分化能を維持します。
この点で他の細胞と異なっており、発生の過程や組織・器官の維持において細胞を供給する役割を担っています。

幹細胞では分化を誘導する遺伝子の発現を抑制する機構が働いており、これは外部からのシグナルやクロマチンの構造変換などによって行われます。

普通の体細胞はテロメラーゼを欠いているため細胞分裂の度にテロメアが短くなるが幹細胞ではテロメラーゼが発現しているため、テロメアの長さが維持されます。
これは分裂を繰り返す幹細胞に必要な機能である。(テロメア、テロメアーゼ・後述遺伝子参照)
幹細胞の性質が維持できなくなると新たな細胞が供給されなくなり、早老症や不妊などの原因となります。


細胞の成り立ち
細胞分化能力による分類